松本清張が三億円事件について書いた『小説 3億円事件』のあらすじは？

松本清張が三億円事件について書いた
『小説 3億円事件』は副題にある通り
「米国保険会社内調査報告書」という形で
語られています。

松本清張の独自の視点で書かれている
という事で興味深く原作本を読みました。
『水の肌』という短編集の中に
収録されています。

偉大な作家ですから
フィクションとしての三億円事件を
描こうと思えば
このような作品になるのでしょう。
筋も通っていてなかなか面白い内容でした。

この作品は1月18日（土）夜9時から
テレビ朝日開局55周年記念
松本清張ドラマスペシャル『三億円事件』として
田村正和さん主演で放送されます。

テレビドラマでは原作の内容が
どれだけ反映されたものになるのかわかりません。

原作では先に書いたように
あくまでも報告書という形で
語られていますから、
テレビドラマの田村正和さん演じる
主人公は出てきません。

オフィシャルサイトにある
「母を捨ててアメリカに渡った」という
くだりは原作にはありませんから、
ある程度オリジナル色の強い
ドラマとなるのではないでしょうか。

テレビ朝日開局55周年記念
松本清張ドラマスペシャル
『三億円事件』は
1月18日（土）夜9時からの放送です♪

テレビ朝日開局55周年記念 松本清張二夜連続ドラマスペシャル 昭和の二大未解決事件・第一夜『三億円事件』

水の肌

• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 1982/07/27
• メディア: Kindle版

タグ：田村正和 三億円事件 松本清張

三億円事件が背景の中原みすず著『初恋』※ネタバレ注意！

宮崎あおいさんが主演した
映画『初恋』の原作本です。

ちょっと、面白いことがわかりました♪

・映画『初恋』でもう一人の主人公ともいえる
岸を演じた小出恵介さん。
岸は原作の中で三億円事件の
シナリオを計画した人物ですが、
この役を演じた小出恵介さんは
先日テレビドラマとして放送された
三億円事件が舞台の『クロコーチ』でも
三億円事件の実行犯役を演じていました。
これは偶然の一致でしょうか？
（クロコーチ関連記事はこちら）

・映画『初恋』で
主人公みすず（宮崎あおい）の
兄役「亮」を演じている
俳優の宮崎将さんは
宮崎あおいさんの実のお兄さん。
このキャストの組み方は製作者側の
意図したことでしょうか、
それとも宮崎あおいさん、
もしくは宮崎将さんの希望かな？


さて、原作本です。
良かったです♪

この作品の主人公が
宮崎あおいさんだという先入観が
頭から離れない状態で読んだので、
できれば原作本を先に読みたかったけど。

時代背景が昭和40～60年代なので、
ちょっとノスタルジックな雰囲気を
感じながら読みました。
年齢的にちょうど良かったかも。

ただこの物語、別に三億円事件が
舞台でなくてもまったく問題ないのでは？
という気もします。

タイトルが示す通り、
この作品のテーマは事件ではなく、
感情とか恋とか時代とか、
そんなもののような気がします。
ちょっと、三億円事件のビッグタイトルに
乗っかったのかな、
という印象を持ってしまいました。
（違かったらゴメンナサイ）

あと終盤に関係者がどんどん死んでいく。
ちょっと都合良い感じを受けました。
そこまで死なせなくても…

とはいえ、みすずと亮、岸、岸の親友だった大村。
この人物たちの関係は
ものの見事に構築されていて
読後感は悪くなかったです。

主人公の名が著者の名を思わせることや、
小説自体が本人の独白調に
なっていることもちょっと面白い。

もう一回読んでみたいな、と思います。

次は映画『初恋』を観てみたい。

＜関連記事＞
三億円事件の犯人が女子高生？ちょっと異色の宮崎あおい主演の映画
三億円事件

初恋

• 作者: 中原 みすず
• 出版社/メーカー: リトルモア
• 発売日: 2002/02/15
• メディア: 単行本

タグ：初恋 中原みすず 宮崎あおい 小出恵介 宮崎将 三億円事件